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樹木葬という選択|自然に還りたいおひとりさまのための新しい供養

「この先、自分のお墓はどうしたらいいんだろう…」
「子どもはいないし、誰にも迷惑をかけたくない」
「最後は、静かに自然に還りたいな」

こんにちは。終活カウンセラーの鈴木由美子です。
私自身、3年前に夫を突然亡くし、あなたと同じように「おひとりさま」として、これからのこと、そして人生の最期のことを真剣に考えるようになりました。

夫が眠るお墓はありますが、子どもがいない私たちにとって「このお墓を誰が継いでくれるのか」という問題は、心の奥にずっと重くのしかかっていました。そんな時、ふと目に留まったのが「樹木葬」という言葉だったのです。

この記事を読んでくださっているあなたも、きっと同じような不安や想いを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。一人で考え込んでいると、漠然とした不安がどんどん大きくなってしまいますよね。でも、大丈夫です。一人じゃありません。

今日は、終活カウンセラーとして、そして何より同じ「おひとりさま」の仲間として、私が調べて、感じた「樹木葬」について、あなたの心に寄り添いながら、丁寧にお話ししていきたいと思います。この記事を読み終える頃には、きっと心が少し軽くなり、前向きな一歩を踏み出すきっかけが見つかるはずです。

樹木葬とは?今、注目される理由

まずは、「樹木葬」がどのようなものか、基本からご説明しますね。

樹木葬の基本的な仕組み

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標(シンボル)として、その下に遺骨を埋葬する供養の方法です。 桜やハナミズキ、バラといった美しい花木が墓標になるなんて、なんだか温かい気持ちになりませんか?

「自然に還る」という言葉がしっくりくる、とても優しい供養の形だと私は感じています。 従来の墓石が立ち並ぶお墓のイメージとは違い、緑豊かな公園や庭園のような明るい雰囲気の場所が多いのも特徴です。

参考: 古墳型の樹木葬が人気 現代のニーズに応える霊園が東北初開園

なぜ「おひとりさま」に選ばれているのか

では、なぜ今、樹木葬が私のような「おひとりさま」に注目されているのでしょうか。その理由は、私たちの抱える悩みに、そっと寄り添ってくれる特徴があるからです。

  • 跡継ぎがいなくても安心(永代供養)
    樹木葬のほとんどは「永代供養」という仕組みになっています。 これは、お墓を管理してくれる子どもや親族がいなくても、霊園やお寺が永代にわたって遺骨の管理・供養をしてくれるというものです。 「無縁仏になったらどうしよう…」という、おひとりさまにとって一番の心配事から解放されるのは、本当に心強いですよね。
  • 費用を抑えられる
    一般的にお墓を建てると、墓石代や工事費などで100万円以上かかることも珍しくありません。 一方、樹木葬は墓石を使わないため、費用を比較的安く抑えることができます。 埋葬方法によっては5万円程度から選べるものもあり、経済的な負担を軽くできるのは大きなメリットです。
  • 宗教・宗派を問わないことが多い
    多くの樹木葬では、宗教や宗派が問われません。 特定の檀家になる必要がない場合がほとんどなので、無宗教の方や、ご自身の信じる形で静かに眠りたいと考えている方にも開かれています。

こうした理由から、樹木葬は「誰にも迷惑をかけず、自分らしく最期を迎えたい」と願う私たちおひとりさまにとって、とても魅力的な選択肢となっているのです。

樹木葬のメリット・デメリットを正直にお伝えします

物事には必ず良い面と、少し注意が必要な面があります。樹木葬を選ぶ前に、両方をしっかりと理解しておくことが、後悔しないための大切な一歩です。私の経験も交えながら、正直にお話ししますね。

樹木葬を選ぶ5つのメリット

  1. 跡継ぎが不要で、後の心配がない
    これは最大のメリットと言えるでしょう。 夫を亡くしてから、「このお墓を私が守れなくなったら、どうなるんだろう」という不安が常にありました。永代供養付きの樹木葬なら、霊園やお寺が責任をもって管理・供養してくれるので、その心配がなくなります。
  2. 費用を抑えられ、経済的負担が少ない
    一般的なお墓に比べて、費用を抑えられるのは本当に助かります。 私もそうですが、おひとりさまの老後は何かと物入りです。終活に多額の費用をかけるのではなく、今を豊かに生きるためにお金を使いたい、そう考える方にはぴったりです。
  3. 「自然に還る」という優しい眠り
    冷たい石の下ではなく、美しい木々や花々に囲まれて眠る。 季節の移ろいを感じながら、やがて土に還っていく…。そう思うと、死への恐怖が少し和らぐような気がしませんか? 私自身、この「自然に還る」という考え方に、とても心を惹かれました。
  4. 宗教・宗派不問で誰でも受け入れてくれる
    嫁いだ先の宗派に馴染めなかったり、特に信仰心がないという方もいらっしゃるでしょう。樹木葬は、そうした個人の考えを尊重してくれる場所が多いです。 誰に気兼ねすることなく、安らかに眠れる場所を選べるのは嬉しいことですね。
  5. 生前に自分で契約できる安心感
    元気なうちに、自分の眠る場所を自分で決めておけるのは、大きな安心につながります。 誰かに決めてもらうのではなく、自分の目で見て、納得した場所を選べる。これは、おひとりさまが自分らしく生き抜くための、最後の主体的な選択と言えるかもしれません。

知っておきたい3つのデメリットと対策

もちろん、良いことばかりではありません。契約してから「こんなはずじゃなかった」とならないように、デメリットもしっかりと理解しておきましょう。

  1. 一度埋葬すると遺骨を取り出せない場合がある
    埋葬方法によっては、遺骨を骨壺から出して直接土に埋めたり、他の人の遺骨と一緒に埋葬(合祀)したりすることがあります。 この場合、後から「やっぱり別のお墓に移したい」と思っても、遺骨を取り出すことはできません。
    • 対策: もし将来、改葬(お墓の引越し)の可能性が少しでもあるなら、一定期間は個別に安置してくれるプランを選びましょう。 契約時に、合祀されるタイミングを必ず確認することが大切です。
  2. 個別の墓石がないことに寂しさを感じる可能性
    樹木葬は、シンボルとなる樹木に向かってお参りするスタイルが基本です。 一般的なお墓のように「〇〇家の墓」という墓石がないため、人によっては少し物足りなく感じたり、お参りの対象が分かりにくいと感じたりするかもしれません。
    • 対策: 名前を刻んだ小さなプレートを設置できる樹木葬もあります。 現地見学の際に、お参りのスペースがどのようになっているか、他の人はどのようにお参りしているかを見ておくと、イメージが湧きやすいですよ。
  3. 親族の理解が得にくい場合も
    「お墓は墓石があって当たり前」と考えている親族がいる場合、樹木葬に理解を示してもらえない可能性もあります。 特に、ご自身の兄弟姉妹や、ご親戚との関係が続いている場合は、事前に話をしておくことが大切です。
    • 対策: なぜ自分が樹木葬を選びたいのか、その想いを丁寧に伝えましょう。「跡継ぎのことで心配をかけたくない」「自然の中で静かに眠りたい」というあなたの真摯な気持ちは、きっと伝わるはずです。パンフレットなどを見せながら説明するのも良い方法です。

失敗しない樹木葬の選び方|5つのチェックポイント

「樹木葬に興味が出てきたけれど、どうやって選べばいいのか分からない…」
そんなあなたのために、終活カウンセラーの視点から、後悔しないためのチェックポイントを5つにまとめました。ぜひ、参考にしてくださいね。

1. 樹木葬の種類を理解する(場所で選ぶ)

樹木葬には、その場所の環境によって大きく3つのタイプがあります。 ご自身の希望する雰囲気に合わせて選びましょう。

種類特徴メリットデメリット
里山型自然の山林を活かした、最も自然に近い 형태。・「自然に還る」イメージが強い
・環境保護につながることもある
・都心から遠く、アクセスが不便なことが多い
・傾斜地など、お参りが大変な場合がある
公園型霊園の一角などを公園のように整備したタイプ。・アクセスが良い場所が多い
・施設が整っており、お参りしやすい
・里山型に比べると、人工的な印象を受けることも
・費用が比較的高めになる傾向がある
庭園型ガーデニング風に美しく整えられたタイプ。都市部に多い。・デザイン性が高く、明るい雰囲気
・駅からのアクセスが良い場所が多い
・敷地がコンパクトなことが多い
・費用は高めになる傾向がある

2. 埋葬方法を確認する(納骨方法で選ぶ)

遺骨をどのように納骨するかも、とても重要なポイントです。費用やプライベート感に関わってきます。

埋葬方法特徴メリットデメリット
個別型一人ひとり、または一家族ごとに区画が分かれている。・プライベートが保たれる
・一般的なお墓に近い感覚でお参りできる
・費用が最も高くなる
集合型シンボルツリーの周りなど、共有スペースに個別の骨壺などで納骨する。・他の人の遺骨と混ざらない
・費用を抑えつつ、個別性も保てる
・一定期間後に合祀されることが多い
合祀型骨壺から遺骨を取り出し、他の人と一緒に埋葬する。・費用が最も安い・一度埋葬すると遺骨は取り出せない
・個人のスペースはない

3. 費用相場と内訳を把握する

樹木葬の費用は、安いものでは5万円程度から、個別で手厚いものだと150万円以上と幅広いです。 2024年の全国平均購入価格は約63.7万円という調査結果もあります。 契約前に、何にいくらかかるのか、費用の内訳をしっかり確認しましょう。

【費用の主な内訳】

  • 永代使用料: お墓の土地を使用する権利の費用。
  • 永代供養料: 永代にわたって供養・管理してもらうための費用。(使用料に含まれることも多い)
  • 埋葬料(納骨料): 納骨作業にかかる手数料。
  • 銘板彫刻料: 名前などをプレートに彫刻する費用。
  • 年間管理費: 個別安置期間中などに、施設の維持管理のために必要となる場合がある。

「年間管理費はいつまで必要なのか」「契約時の支払い以外に、追加で発生する費用はないか」など、細かい点までしっかり確認することがトラブルを防ぐコツです。

4. 現地見学で確認すべきこと(チェックリスト)

パンフレットやウェブサイトだけでは分からないことがたくさんあります。必ず一度は現地に足を運び、ご自身の目で確かめることが大切です。

【現地見学チェックリスト】

  • アクセス:
    • 自宅からの交通手段は?時間はどれくらいかかる?
    • 最寄り駅からの距離は?バスの本数は?
    • 将来、自分が年を重ねても通える場所か?
  • 環境・雰囲気:
    • 日当たりや風通しは良いか?
    • 園内は清潔に保たれているか?
    • 自分が「ここで眠りたい」と心から思える場所か?
    • 季節によって景観が大きく変わらないか?(特に冬場など)
  • 管理状況:
    • 樹木や草花の手入れは行き届いているか?
    • 共有スペース(水汲み場、トイレ、休憩所など)は綺麗か?
  • お参りのしやすさ:
    • お線香やお花を供えることはできるか?(火気厳禁の場所もある)
    • お参りのルールはあるか?
  • スタッフの対応:
    • 質問に丁寧に答えてくれるか?
    • 信頼できると感じるか?

5. 契約内容をしっかり確認する

最終的に決める際は、契約書の内容を隅々まで確認しましょう。 不明な点や曖昧な表現があれば、納得できるまで質問することが重要です。

特に、「永代供養」の定義(供養の頻度や内容)や、万が一その霊園がなくなってしまった場合の対応など、少し聞きにくいこともしっかり確認しておきましょう。

これらのポイントをすべて自分一人で調べるのは、なかなか大変な作業ですよね。私も資料を取り寄せ始めましたが、情報が多くて少し戸惑ってしまいました。そんな時は、全国の霊園や樹木葬の情報をまとめたポータルサイトを活用するのも一つの手です。

例えば、お墓・霊園さがしのポータルサイト「goenn(ご縁)」 のようなサイトでは、お住まいの地域や希望の条件で絞り込んで探すことができるので、効率的に情報収集ができますよ。たくさんの選択肢の中から、ご自身の希望に合う場所を見つけるための、心強い味方になってくれるはずです。

私が樹木葬を考え始めたきっかけ

少し、私の話をさせてください。
3年前、夫が心筋梗塞で突然この世を去りました。昨日まで「おはよう」「おやすみ」を交わしていた人が、もういない。その現実を受け入れるのは、本当につらい時間でした。

葬儀や山のような手続きを一人でこなしながら、私が直面したのは「お墓」の問題でした。夫の実家のお墓に入りましたが、それを継ぐ子どもはいません。私が亡き後、このお墓は誰が見てくれるのだろう。夫と、そのご先祖様を無縁仏にしてしまうのではないか…。その不安は、鉛のように重く私の心にのしかかりました。

そんな時、終活の勉強を始める中で「樹木葬」に出会ったのです。
「跡継ぎがいなくても大丈夫」
「自然の中で安らかに眠れる」
その言葉が、まるで暗闇に差し込んだ一筋の光のように感じられました。

誰にも迷惑をかけたくない。でも、無縁仏にはなりたくない。そして、できることなら、最後は夫の眠る場所の近くで、でも窮屈な石の下ではなく、空の見える明るい場所で眠りたい。

樹木葬は、そんな私のわがままな願いを、優しく受け止めてくれる選択肢のように思えたのです。まだ決めたわけではありませんが、いくつかの霊園の資料を取り寄せ、天気の良い日に見学に行ってみようと思っています。この「考える時間」そのものが、未来への不安を、前向きな準備へと変えてくれている気がします。

まとめ

ここまで、おひとりさまの供養の形として「樹木葬」についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

最後に、大切なポイントをもう一度振り返ってみましょう。

  • 樹木葬は、跡継ぎが不要な「永代供養」が基本で、おひとりさまの不安に寄り添う選択肢。
  • 費用を抑えられ、宗教を問わないなど、多くのメリットがある。
  • 一方で、遺骨が取り出せない場合があるなどのデメリットも理解しておくことが大切。
  • 選ぶ際は、種類や埋葬方法、費用を比較し、必ず現地見学をすること。

お墓の問題は、とてもデリケートで、一人で抱え込みがちな悩みです。でも、今日こうして樹木葬という一つの選択肢を知ったことで、あなたの心が少しでも軽くなっていたら、私にとってこれほど嬉しいことはありません。

終活は、決して「死ぬための準備」ではありません。
「これからを、より自分らしく、安心して生きていくための準備」だと私は思っています。

焦る必要はありません。まずは資料請求をしてみたり、お散歩がてら近くの霊園を訪ねてみたり、そんな小さな一歩から始めてみませんか?

あなたが、あなたらしい安らかな眠りの場所を見つけ、これからの毎日を晴れやかな気持ちで過ごせることを、心から願っています。大丈夫、あなたは一人じゃありませんから。